金融

救済資金提供の背景

国際分散を進める国富ファンドが欧米の金融機関への救済資金提供を決断した理由の一つが、大打撃を被った欧米の金融機関が破綻せずに復活するのであれば、現在の株価はかなり割安な水準だからでした。

本来ならば欧米の金融機関が奉加帳方式で仲間内の資金で救済するはずが、誰も資金を持ち合わせていないこともあり、なおさら安い株価水準で投資が可能でした。もし自分たちの資金を大量に投じることで欧米の金融機関が復活・再生するのであれば、長期的には非常に魅力的なリターンが期待できる。

しかも、最新の金融技術を彼らから習得できるのであれば、リスクを取る価値が十分ある。さらには、欧米諸国に政治的な恩も売れるのだ。06年までは、アジアや中東の国富ファンドが欧米の企業を買収し巨額の投資を行うことに対して、強い警戒心があった。とくにアメリカでは、国家の利益に反するとして、買収を拒否する行為を政治的に発動していました。

たとえば中国海洋石油(CNOOC)が米ユノカルの買収を図ったが、アメリカ議会を中心とする反対圧力にあって撤回を強いられた。アラブ首長国連邦(UAEのドバイ・ポーツ・ワールド社がアメリカの港湾サービス会社を買収しようとしたときも、反対の動きが激しくなり、結局断念したのです。